この帖では、薫と浮舟だけでなく、その周りの人々も、それぞれの思いとともに描かれる。
横川の僧都は、浮舟の願いを受け入れて、一度は出家させるが、薫が彼女を強く思っていることを知り、出家させたことを後悔する。
横川の僧都の妹尼は、自分の死んだ娘にそっくりな浮舟が、薫と深い関係があったことを知り、浮舟の気持ちも考えず、その事情を、しきりと知りたがる。
浮舟の父違いの弟、小君は、保護者の薫の気持ちを慮り、浮舟に、薫への返事を書いてもらおうとする。
それぞれの立場の人々が、気持ちが混じりあうことなく、それぞれの立場で描かれている。
源氏物語ノート
源氏物語を読んで、感じたことごとを、ここに記します。
2013年3月18日月曜日
夢浮橋:浮舟の立場から
出家を決意し、小野の地に暮らしていた浮舟のもとに、薫の使いとして、父の違う弟の小君が、薫の手紙をたずさえて訪れる。
小君に会いたい気持ちはあるが、会ってしまえば、また薫との関係が始まってしまう。
横川の僧都の妹尼からも、薫との関係をいろいろと詮索され、浮舟は、そうした葛藤の中で、涙に暮れるばかり。
最後の最後まで、周囲の人々の思惑に翻弄される、浮舟であった。
小君に会いたい気持ちはあるが、会ってしまえば、また薫との関係が始まってしまう。
横川の僧都の妹尼からも、薫との関係をいろいろと詮索され、浮舟は、そうした葛藤の中で、涙に暮れるばかり。
最後の最後まで、周囲の人々の思惑に翻弄される、浮舟であった。
夢浮橋:薫の立場から
浮舟が、横川の僧都の保護を受けて、出家して小野の地に住んでいることを知った薫は、横川の僧都のもとを訪ね、その消息を確かめようとする。
確かに浮舟であることを確認した薫は、その性格から、自分から出向いていくようなことはしない。浮舟の弟の小君に、自分の手紙を持たせて、浮舟を尋ねさせる。
(薫)法の師とたづぬる道をしるべにて 思わぬ山に踏み惑ふかな
最後の最後まで、煮え切れない態度の薫であった。
というよりは、所詮、薫にとっては、浮舟は、その程度の存在だったのかもしれない。
そして、それをメインテーマに選んだこの宇治十帖とは、作者にとって、どんな物語だったのだろうか。
確かに浮舟であることを確認した薫は、その性格から、自分から出向いていくようなことはしない。浮舟の弟の小君に、自分の手紙を持たせて、浮舟を尋ねさせる。
(薫)法の師とたづぬる道をしるべにて 思わぬ山に踏み惑ふかな
最後の最後まで、煮え切れない態度の薫であった。
というよりは、所詮、薫にとっては、浮舟は、その程度の存在だったのかもしれない。
そして、それをメインテーマに選んだこの宇治十帖とは、作者にとって、どんな物語だったのだろうか。
夢浮橋:これで終わり?
いよいよ、この長い物語も、この54番目の帖で、終わりを迎える。
それにしても、これだけ長い長い物語の終わりとしては、?、と思わざるを得ない。
宇治川に身を投げたが死に切れなかった浮舟。浮舟が生きていたことを知った薫が、浮舟に会おうとするが、浮舟はそれを拒否し、薫も、無理に会おうとは思わない。
まるで、すぐに次の帖が始まってしまいそうな雰囲気で、この物語は終わってしまう。
果たして、この物語の作者は、この結末を意図したのだろうか。それとも、途中で筆をおらざるを得ない事情があったのだろうか。
それにしても、これだけ長い長い物語の終わりとしては、?、と思わざるを得ない。
宇治川に身を投げたが死に切れなかった浮舟。浮舟が生きていたことを知った薫が、浮舟に会おうとするが、浮舟はそれを拒否し、薫も、無理に会おうとは思わない。
まるで、すぐに次の帖が始まってしまいそうな雰囲気で、この物語は終わってしまう。
果たして、この物語の作者は、この結末を意図したのだろうか。それとも、途中で筆をおらざるを得ない事情があったのだろうか。
2013年3月4日月曜日
手習:ユーモラスなシーン
この帖では、さりげないところで、ちょっとしたユーモラスなシーンが、いくつか用意されている。
浮舟が、竹取物語のかぐや姫に例えられ、そのすぐ後に、浮舟自身が、こんな歌を詠む。
我かくて憂き世の中にめぐるとも 誰かは知らん月の都に
また、別なシーンでは、浮舟が、横川の僧都の母親らのイビキの大きさに悩まされるという、珍しいシーンが描かれる。
浮舟は、”今宵、この人々にや、食はれなん”と、オーバーな表現で、そのイビキを嘆く。
浮舟が、竹取物語のかぐや姫に例えられ、そのすぐ後に、浮舟自身が、こんな歌を詠む。
我かくて憂き世の中にめぐるとも 誰かは知らん月の都に
また、別なシーンでは、浮舟が、横川の僧都の母親らのイビキの大きさに悩まされるという、珍しいシーンが描かれる。
浮舟は、”今宵、この人々にや、食はれなん”と、オーバーな表現で、そのイビキを嘆く。
手習:いつも誰かの代わりとして扱われる浮舟
横川の僧都に助けられた浮舟をみて、その妹は、浮舟が、つい最近亡くなった、自分の娘に似ていることに驚く。
その夫だった中将も、亡き妻の面影を浮舟にみつけ、しつこく、浮舟に接近しようとする。
浮舟は、八の宮の娘で、母の違う大君と似ていることから、薫に思いを寄せられ、匂宮との三角関係になり、自ら命を絶とうとした。
浮舟は、常に、誰かに似ているという理由で、男に好かれる、ある意味では、不幸な女性だ。
あるいは、浮舟は、つねに他人から、誰かに似ていると思わせる、不思議な力を持っているのかもしれない。
その夫だった中将も、亡き妻の面影を浮舟にみつけ、しつこく、浮舟に接近しようとする。
浮舟は、八の宮の娘で、母の違う大君と似ていることから、薫に思いを寄せられ、匂宮との三角関係になり、自ら命を絶とうとした。
浮舟は、常に、誰かに似ているという理由で、男に好かれる、ある意味では、不幸な女性だ。
あるいは、浮舟は、つねに他人から、誰かに似ていると思わせる、不思議な力を持っているのかもしれない。
手習:浮舟の変容
宇治川に身を投げた浮舟は、死に切れず、宇治宮の跡地に倒れていたところを、横川の僧都の一行に助けられる。
発見された時、始めは、狐が人に化けているのではないかと疑われるほど、憔悴しきっていた。
大君を死に追いやった、物の怪にも取り憑かれており、横川の僧都の法力によって、物の怪から解放されると、かつての美しさを取り戻す。
一度は、死を決意した浮舟は、ある意味では、一度は霊界に迷い込んで、再びこの世に戻ってきたのかもしれない。
発見された時、始めは、狐が人に化けているのではないかと疑われるほど、憔悴しきっていた。
大君を死に追いやった、物の怪にも取り憑かれており、横川の僧都の法力によって、物の怪から解放されると、かつての美しさを取り戻す。
一度は、死を決意した浮舟は、ある意味では、一度は霊界に迷い込んで、再びこの世に戻ってきたのかもしれない。
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