この帖の主人公は、紛れもなく大君だ。
父の八の宮が亡くなり、妹の中君と二人きりになってしまった。薫が大君に言い寄るが、大君は薫の愛を拒否、ひたすら、中君の幸せだけを願っている。
そして、匂宮と中君の行く末を気にやみ、その心労で、ついに儚く、亡くなってしまう。
自分の幸せを犠牲にし、妹の幸せのことだけを願うという、その後の日本の物語に登場する典型的な”姉”像は、この大君によって、すでに完成されていた、といっていい。
この物語全体の中でも、この大君は、とりわけ印象に残る、登場人物の一人だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿