2012年12月24日月曜日

早蕨:大人になっていく中君

八の宮の二人の娘、大君と中君。ここまでは、姉の大君ばかりに焦点が当たっていた。中君は、しっかりものの姉に庇護される存在、として描かれてきた。

しかし、その大君が亡くなり、中君も、自分で自分の人生のみの振り方を決めて行かなければならない。次第に、中君の個性が表に出てくる。

そうすると、自然と、中君の姿は、姉の大君の姿に重なるようになっていく。

この帖では、正月から2月までの季節が描かれている。早蕨、梅、そして桜が描かれている。冬から春の訪れに合わせて、一人の女性が、大人になっていく様子が描かれる。

人物の変化と、季節の変化を重ねて描く、作者の描写は、見事、という他ない。

中君が、大人へ変化する象徴的なシーン、長く暮らした宇治を離れる際に歌われる歌は、心に強く残る。

(中君)眺むれば山より出でて行く月も 世にすみ侘びて山にこそ入れ

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