蛍の帖では、養子として引き取った、夕顔の忘れ形見、玉鬘への光源氏の愛情が、ますます異常なものになっていく。
玉鬘に想いを寄せる、異母弟の蛍兵部卿宮に味方して、侍女に代筆までさせて、宮を玉鬘の元に誘い出し、暗い夜の中で蛍を放ち、わざと玉鬘の姿を見えやすくする。
その一方では、自らの玉鬘への想いを募らせ、時には、玉鬘に無理矢理、自分は娘想いの父親だという歌を詠ませたりする。
光源氏は、この時36才。まだ恋に現役である年齢でありながら、しかし、父親でもあるという、微妙な年齢に達している。
この物語は、そうした男性の心の成長の物語を、女性の目を通して描いている。
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