最愛の人、紫の上の死に、光源氏は、悲しみに暮れる。何をするにも、紫の上を思い出し、人に会うのも、うっとうしくなる。
かつて、若き日の光源氏は、どんなタイプの女性であっても、それに応じた愛で答えてくれる、女性からみた男性の理想の姿として、描かれていた。
若菜以降、存在感が薄くなっていた光源氏が、この帖では、最愛の人の死を、ひたすら悲しむ、初老の男として描かれている。
それは、別の意味で、女性から見た、理想の男性の姿なのかもしれない。自分が死んだら、この世を厭い、出家したくなるくらいに、悲しんで欲しいということなのか。
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