かつての天皇であった朱雀院は、二人の娘のことで、思い煩っている日々を過ごしている。
朱雀院の后だった一条御息所は、娘の落葉の行く末を心配し、ついに、物の怪の力に屈して、亡くなってしまった。
落葉は、しつこく迫る夕霧に、憂鬱な日々を送っている。
その夕霧は、なかなか自分の愛を受け入れてもらえず、しかも、妻からは浮気を疑われている。
夕霧の妻、雲井雁は、夫の不倫が真実とわかり、実家に帰ってしまう。
夕霧の父、光源氏は、そうした事態は、すでに自分の力ではどうすることもできない、と諦めてしまっている。
この帖では、誰もが不幸に描かれている。そこには、”王朝文化の色恋の物語”という、この物語につきまとうイメージは、微塵も無い。
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