葵の帖は、有名な車争いが行われる。
旧暦4月に行われる賀茂祭において、光源氏の正妻と愛人の六条御息所が、祭列の見物場所を巡って争いを起こす。葵の上が場所取りに成功し、六条御息所は場所を奪われ、自らの車も壊されて落ち込んでしまう。
しかし、その恨みは生き霊となって葵の上を襲い、葵の上は光源氏との子、夕霧を産んだ直後に亡くなってしまう。
源氏物語の中でも、もっとも劇的な展開の一つであるこのエピソード。この争いは、正妻と愛人という構図、それに、左大臣の娘である葵の上と、かつて東宮であった夫を亡くし、後ろ盾を失った六条御息所との闘いでもあった。
車争いで敗れた六条御息所は、そのリターンマッチとして、自らが持つスピリチュアルなパワーで、葵の上を呪い殺してしまう。
このエピソードには、当時の社会において、人々の争い事がどのような構図の中で捉えられていたのかを教えてくれる。
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