紅葉雅で、最も印象に深いシーンは、光源氏が、藤壷との不義な関係の結果から生まれた子を、桐壺帝が光源氏とよく似ているといって喜ぶ場面だろう。
この時の光源氏の心情を、作者は以下のように表現している。
中将の君(光源氏)、面の色かはる心地して、恐ろしうも、かたじけなくも、うれしくも、あわれにも、かたがたうつろう心地して、涙落ちぬべし。
いろいろな感情が光源氏の中で揺れ動く様子が、実に見事に表現されている。
本居宣長は、源氏物語をして、”物のあわれ”が表現されている物語だとしたが、私はそれ以上のものだと思っている。
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